大学で講義をしていると、なかなか鋭い質問が出てくることがあります。ある日の授業で「コンピュータとコンピューターやメモリとメモリーなどの表記はどちらが正しいのですか?」と聞かれ、思わず「まあ、どちらの表記も新聞や雑誌で散見されるから、どちらでも良いのではないでしょうか?」と答えたら、学生の振り返り文に「公文書では、どちらでも良いとはならないのではないでしょうか?」という指摘がありました。そこで深く調べてみると、初期のパソコンは、ビット数が小さかったので、減らせる文字は減らしたかったため、アルファベットをカタカナで表記する場合、「2音の用語は長音符号を付け、3音以上の用語の場合は長音符号を省く」というルールが国家基準の一つであるJIS(日本工業規格)のガイドラインで定められていることがわかりました。さらに詳しく調べてみると・・・1991年に発表された内閣告示「外来語の表記」によると「英語の語末の‐er,‐or,‐arなどに当たるものは原則としてア列の長音とし長音符号を用いて書き表す」とされていました。そしてこの国の基準が二つあるということが、コンピュータorコンピューター論争のもとだとわかりました。現在、製品名については、各社まちまちなのが現状なので、結局どちらでも良いということになっているようですが・・・。さて、最初の「公文書には、コンピュータ、コンピューターのどちらを記載する?」という質問ですが、まず、文科省の学習指導要領の中にコンピュータという文字を複数発見。厚生労働省の公文書でもコンピュータ、メモリと記載されていることを確認。また、札幌市の市教委の記載例にもメモリ、コンピュータと示されていました!したがって、コンピューターでも大丈夫そうですが、現時点では、コンピュータと書いた方が無難でしょう。さて後日談です。学生の一人が「先生、【Microsoft】では、2008年頃まではずっと長音符号を使わない『コンピュータ』と表記、つまり『JIS規格』を基準としていました。ですが、時代と共にデータの容量や画面の拡大化が進み、文字数を節約する必要が無くなってきたことや、読み上げツールなどで読み上げた時の認識のしにくさなどを理由に、『コンピューター』表記に統一されたようですよ」と言ってきました。なるほど…う~ん…と言うことは…もしかすると将来的に、公文書もコンピューター、メモリーに変更となる可能性はあるかも!…というオチが付きました!
コンピュータorコンピューター論争
- 投稿公開日:2025年2月18日
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